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【再記載】改めてアルペンスキーにおける平昌オリンピックの出場条件を書いてみたよ!

2018年2月。
平昌(ピョンチャン)オリンピックが行われる。

来年、というか、今シーズンである。

このオリンピックに向けてSAJ(全日本スキー連盟)が派遣基準を発表したのだが、アルペンスキーに関して、なかなか面白い内容の基準が設定された。

今までの選考基準

2016/2017シーズン及び2017/2018シーズン(各種別が定める基準日まで)における世界レベルの評価対象競技会にて、下記のいずれかの成績を収めた選手。
※ただし、成績は当該種目のみの基準とする。

  1. 8位以内の成績を1回以上
  2. 20位以内の成績を2回以上(2シーズン合計)

評価対象とする競技会

FIS世界選手権及びワールドカップ

基準日

2018年1月中旬頃

と、ここまではスキー種目で一般的な基準である。
だが、アルペンスキーに関しては続きがあるのだ。

全日本選手権に関する附則

第96回全日本スキー選手権大会アルペン競技を第23回オリンピック冬季競技大会の選手選考大会とし、各種目の優勝者の派遣をJOCへ推薦する。

  • 2017年12月26日(火)男子大回転1名
  • 2017年12月27日(水)女子大回転1名
  • 2017年12月28日(木)男女回転各1名

※同着優勝の場合は、その時点での”オリンピックFISポイントリスト”の上位選手を優先する。

対象選手

平成29年8月8日時点でオリンピック・クオリフィケーションに基づくオリンピックオータ配分リスト”オリンピックFISポイントリスト”で500位以内かつ140ポイント以下の選手。

補足

  • 出場種目は大回転並びに回転種目とし、優勝した当該種目のみオリンピックへの出場を認める。
  • 優勝者が諸事情で出場を辞退又は出場資格が無い場合でも繰り上げ選考及び選手交代は行わない。
  • ワールドカップにおいて既存の基準をクリアする選手が出た場合には、その選手を優先し、複数名いる場合で出場枠を超過した場合は、平成30年1月22日時点の該当種目のワールドカップポイントの上位者とする。

…というわけである。

ざっくりまとめると

  • 例年は年明け後の3月に行っている全日本選手権の技術系種目の開催を4ヶ月早めて年内の12月に行うよ。
  • それで優勝すれば優勝した種目(GSかSLに限る)はオリンピックに出さしてあげるよ。
  • でも、対象選手は、FISポイント世界ランキング500位以内の選手だけね。
  • ワールドカップで良い成績出した人がいたら、そっち優先ね。

ということである。

この【全日本選手権に関する附則】があるのは、アルペンスキーだけである。

アルペンスキーだけが、全日本選手権優勝者のオリンピック出場が認められたのである。
他のスポーツではよくあることだが、スキーに於いてはかなり珍しい事例である。

ヨーロッパが本場であるアルペンスキーでは、オリンピックやワールドカップの派遣基準として、日本のレースは採用されてこなかったからである。

さて、日本一の称号を獲得すればオリンピックに出場できるという、魅力的な条件だが、その対象選手となるには世界ランキング500位以内という条件がある。

これ、日本人選手に当てはめるとどれくらいだろう?
何人がオリンピック選考の対象選手になるんだろう?

答えは…
男子41人
女子46人
である。

例年100人以上の選手が出場する全日本選手権において、実際にオリンピック権利を争うのは上記の人数になる。

今まで、3、4人で争っていたのを思えば、大混戦ではあるが、選考にかかる時点で、結構狭き門とも言える。

12月26日から、決戦の場は阿寒湖温泉。
熱い戦いを見逃すな。

写真は、昨年の全日本選手権風景